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help リーダーに追加 RSS 1月14日 エミリーへの手紙から 「大切なもの」

<<   作成日時 : 2009/01/14 21:53   >>

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ディア・エミリー


自分にとっていちばん大切なものはなにか、いつも考えてください。
簡単そうだけど、これが意外と難しい。
生きていくうちにはいろいろな問題にぶつかるだろうけど、
たいした問題ではないことも多いのです。
それに気づくのが早ければ早いほど、人生は楽しくなります。
では、どうしてそう思うのか、お話しましょう。

結婚の日取りが決まると、キャサリンは自分の花嫁衣裳をデザインし始めた。
それからサンフランシスコまで行って、シルクのサテンを買ってきた。
金糸で花柄の地模様が織り込まれているアイヴォリーの布地。
彼女は時間をかけて丹念にドレスを縫っていった。
それがほぼ完成したころ、彼女のお母さんが訪ねてきた。
このお母さんという人は、なんでも自分で仕切りたがる人で、
自分の娘には純白のウェディングドレス以外は着せないと言いだしたんだ。
私はキャサリンに自分の意志を通せ、自分の結婚式なのだから、
自分の着たいドレスを着るべきだ、と意見した。
キャサリンは自分が正しいと思ったら、
自分の意見を引っ込めるような人じゃない。
だから、彼女が何の反論もしないことに、私は戸惑った。
私が彼女を応援すると言い張ると、
彼女の答えはこうだった―人生にはどうでもいいことがあるのよ。
たかがドレスじゃない。
結婚式に小麦を入れるズダ袋を着ようと、
私たちが夫と妻であるかぎり、私は幸せなの。

結婚式の当日、彼女は純白のウェディングドレスを着た。
せっかくその日、彼女から大切なことを教わったのに
私がその教えを完全に理解するのには何年もかかってしまった。
じつはね、エミリー、キャサリンに敬意を表するためにも、
私はミッシェルにはぜひ、あの金のドレスを結婚式で着てもらいたかったんだ。
ところが、ミッシェルは私にはなにも告げずに駆け落ちしてしまった。
私は怒り狂ってね、そのあと何ヶ月もミッシェルとは口も聞かなかったよ。
でも長い長い時間をかけて、ようやく悟ったんだ―私はあのときの
キャサリンの母親と同じくらいのわからず屋だったと。
結局、ただのドレスじゃないか、と。

私はいつもいつも、ミッシェルに悪かったと謝りたい気持ちでいました。
でも、できなかった。
時間がたてばたつほど、言いだしにくくなってね。
どうか、君もこの私の過ちから学んでください。
もし、だれかを傷つけてしまったら、すぐに謝って、先に進んでください。
時がたてばたつほど難しくなるものですから。

驚いたことに、キャサリンは結婚式の日に着たあの白いドレスを
他人にあげてしまいました。
ウェディングドレスを必要としている友人に、
貸してあげるのかと思ったら、返さなくてもいいとと言ったのです。
どころがあの金のドレスは大事にとってありました。
たぶん、彼女にとっては金のドレスこそ自分の花嫁衣裳だったんだろうね。
時々出しては着てみていたけど、ふだんは丁寧に箱に入れて、
クロゼットのいちばん上にしまってありました。

ところで、そのドレスの一部を私は君にあげました。
あの本のカバーをみてごらん。
君のおばあさんの愛したドレスをおじいちゃんが切ってしまったなんて言ったら、
ボブとミッシェルは縮み上がるかもしれないね。
もし二人がそうなったら、どうか君のそのかわいい腕を二人の首にまわして、
ぎゅっと抱きしめて、言って上げてください。
おじいちゃんはこの歳になってようやく、
これがただのドレスだとわかったのだと―じつはどうでもいいことなのだと。

君には素晴らしいおばあさんがいました。
君にも会わせてあげたいな。


愛をこめて、ハリーおじいちゃんより




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